高齢になってくると、外出の頻度が減ったり体調に波が出たりして、一日の過ごし方に迷うこともあるかもしれません。
特に自宅で過ごす時間が長い方は、「何をしたらいいの?」と感じてしまうことも。しかし、ちょっとした工夫で心地よく、前向きに過ごせる日常はつくれます。
この記事では、高齢者が自宅で無理なく取り入れられる5つの過ごし方をご紹介。習慣にすることで、心も体もゆったりと整っていきますよ。
高齢者が自宅で快適に過ごすための基本的な考え方とは?
心地よく毎日を過ごすためには、体調や気分に合わせた無理のない生活リズムと、安心できる環境づくりが大切です。日常に楽しみを取り入れることで、自然と前向きな気持ちになれます。
無理をせず自分のペースで過ごすことが大切
年齢を重ねると、体力や気力に波があります。
だからこそ、周りと比べずに「今日はこれだけできた」と自分を認める姿勢が大切です。
生活リズムを整えることで体調を安定させる
起床・食事・就寝の時間がバラバラだと、体のリズムが崩れやすくなります。
できるだけ毎日同じ時間に行動することで、体調が整いやすくなります。
安全で使いやすい住環境を整えることが快適さの鍵
滑りにくいマットを敷いたり、よく使うものを取り出しやすい位置に置いたりすることで、日々の動作がスムーズになります。
好きなことを取り入れて「楽しみ」を日常に組み込む
趣味やお気に入りのテレビ番組など、毎日に「楽しみ」を少しでも取り入れることで、気持ちが前向きになれます。
朝の時間を心地よく迎えるためのおすすめ習慣

1日のスタートを整えることは、健やかな生活の基本です。決まった時間の起床や朝のルーティンを習慣にすることで、心と体のバランスが取りやすくなります。
毎朝決まった時間に起きて生活リズムを整える
目覚ましをかけなくても、自然と同じ時間に目覚めるようになると体の調子が整いやすくなります。
また、起床時間が一定だと、食事や排泄、睡眠のリズムも整いやすく、日中の活動にも良い影響を与えます。
軽いストレッチや深呼吸で体と心を目覚めさせる
布団の中で背伸びしたり、椅子に座ってゆっくりと深呼吸したりするだけでも、血流が良くなりスッキリした気分に。
ゆったりとした動きで筋肉を伸ばすことで、体の緊張がほぐれ、気持ちも前向きになります。
朝日を浴びて体内時計をリセットする
カーテンを開けて自然光を取り入れることで、体内時計が整い、日中の活動がしやすくなります。
特に午前中の太陽光は脳を活性化させる効果があり、眠気やだるさを軽減する助けになります。
温かいお茶やコーヒーでゆったりとした朝時間を楽しむ
お気に入りのカップでお茶を飲むだけでも、ほっとする時間が過ごせます。湯気の立つ飲み物は体を内側から温め、リラックス効果も。
お気に入りの音楽やテレビ番組を流しながら楽しむと、さらに心地よい朝になります。
ラジオ体操やテレビ体操を取り入れる
短時間でも全身を動かせるラジオ体操は、高齢者にぴったり。毎朝の習慣にすると体もシャキッとします。
簡単な動きでも関節の可動域を保つのに役立ち、継続することでバランス感覚や筋力の維持にもつながります。
昼間にできる無理のない運動や脳トレのアイデア
日中は身体も心もほどよく刺激を受けたい時間帯。軽い運動や簡単な脳トレを取り入れることで、健康維持と気分転換を両立できます。続けやすい方法をご紹介。
室内でできる簡単な体操を取り入れる
足踏みや軽いスクワット、椅子に座っての体操など、体力に合わせて無理なく続けられます。
たとえば、腕をゆっくり上げ下げするだけでも肩こりの軽減につながりますし、毎日決まった時間に行うことで習慣化もしやすくなります。
テレビのCMの合間や食後のちょっとした時間に取り入れるのもおすすめです。
散歩や買い物などの外出で気分転換する
近所を歩くだけでも気分転換になります。気候の良い日を選んで、外の空気を感じましょう。
お気に入りの道や公園を散歩コースにすると「今日はこの花が咲いてる!」など、小さな発見が楽しみに変わります。
買い物ついでに歩く距離を少しだけ増やすのも手軽な運動になります。
クロスワードや計算ドリルで脳を活性化させる
雑誌の付録やアプリなど、簡単な脳トレ問題を日課にすれば、楽しく頭を使えます。
日替わりで問題を解くようにすれば、飽きずに続けられますし、達成感も得られます。
家族と一緒にクイズ形式で楽しむのも、良いコミュニケーションになります。
ラジオや音楽を聴きながら軽く身体を動かす
懐かしい曲やお気に入りの音楽に合わせて体を揺らすだけでも、気分が明るくなります。
椅子に座ったままで腕や足を軽く動かすだけでも十分。
昔よく踊った曲をかけて当時の思い出に浸るのも、心を元気にするきっかけになります。
ぬりえや折り紙などの手先を使う遊びも効果的
細かい作業は集中力を高め、脳の活性化にもつながります。完成した作品は飾る楽しみも。
ぬりえは季節感のあるテーマを選べば、四季を感じることもできますし、折り紙は誰かへのプレゼントとしても活用できます。
手を動かすことで自然と気持ちが落ち着く効果もあります。
趣味や交流で午後を楽しく過ごすための工夫
午後の時間帯は、好きなことに取り組んだり人と交流したりするチャンス。昔の趣味を再開したり、気軽な会話を楽しんだりすることで、心が穏やかになります。
昔からの趣味を再開して心にゆとりを持つ
若いころに楽しんでいた趣味を再び始めると、懐かしい気持ちになり、心がほぐれます。
たとえば編み物、書道、絵画、模型づくりなど、指先を使ったり集中力を使う趣味は、気持ちを落ち着ける効果もあります。
好きな音楽を流しながら楽しんだり、作品をSNSで共有してみたりするのも、新たな楽しみ方につながります。
オンライン通話で家族や友人と交流する
スマホやタブレットがあれば、遠方の家族ともすぐに話せます。
顔を見て話すだけでも安心感が得られます。誕生日や記念日にはオンラインでお祝いするのも一つの方法。
操作が不安な場合は、あらかじめ練習しておくと安心です。
地域のサロンや集いの場に参加してみる
近所の公民館などで開催されているサロンに顔を出してみるのも、交流のきっかけになります。
体操教室や手芸クラブ、囲碁将棋など、参加しやすい活動も豊富です。
無理のない範囲で参加することで、自然と仲間ができ、日々の楽しみが広がります。
読書や映画鑑賞で気軽に楽しめる時間を持つ
読書や映画は、外に出かけなくても心を豊かにしてくれる手軽な趣味です。
図書館の宅配サービスや、テレビや配信サービスで観られる映画を活用すれば、ジャンルを問わず幅広く楽しめます。
感想をノートに書き留めておくと記憶にも残りやすくなります。
家庭菜園やガーデニングで自然とふれあう
ベランダや庭で野菜や花を育てると、季節の移ろいを感じながら過ごせます。水やりや手入れの時間は穏やかな気持ちになれますし、収穫できたときの喜びもひとしおです。
鉢植えやプランターなら場所を選ばず始められるので、初心者にもおすすめです。
夜のリラックスタイムにぴったりの過ごし方
1日の締めくくりは、心身をしっかりと休める時間。入浴や音楽、照明の工夫などを取り入れて、ぐっすり眠れる環境を整えましょう。質の良い眠りが翌日の活力に。
ぬるめのお風呂にゆっくり入って体をほぐす
40度前後のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、筋肉のこわばりがやわらぎます。さらに、お風呂にアロマオイルを数滴入れるとリラックス効果が高まり、香りでも癒しの時間が楽しめます。
浴室を少し暗めにして入浴すると、より心が落ち着きやすくなります。
静かな音楽を聴いて心を落ち着ける
ヒーリング音楽やクラシックなど、ゆったりした音楽を聴くと気持ちが落ち着きやすくなります。
できればスピーカーではなく、イヤホンやヘッドホンで聴くと周囲の雑音が気にならず、より集中してリラックスできます。
お気に入りのプレイリストを作っておくのもおすすめです。
寝る前に簡単な日記をつけて気持ちを整理する
今日の出来事をひと言でも書いておくと、気持ちの整理や振り返りになっておすすめです。
「ありがとう」と思えたことを1つでも書き出す習慣を持つと、気分が前向きになり、穏やかな気持ちで眠りにつきやすくなります。
カフェインを控えてぐっすり眠れる環境をつくる
寝る前はカフェインを避けて、白湯などに切り替えると眠りにつきやすくなります。
温かい飲み物を飲むことで体が内側から温まり、入眠をスムーズにします。
また、夕方以降は甘いお菓子や重たい食事も控えるとより効果的です。
間接照明で目に優しい空間に整える
夜は明るすぎる照明を避け、間接照明にすることで目も気持ちもリラックスできます。
電球色のやさしい光は副交感神経を刺激し、自然と眠りモードへ導いてくれます。
足元に小さなナイトライトを置いておくと、夜中のトイレにも安心です。
高齢者の一日の過ごし方についてまとめ
高齢者が自宅で心地よく一日を過ごすためには、特別な準備や道具が必要なわけではありません。大切なのは「無理をしない」「楽しみを見つける」「自分のペースを守る」ということ。
朝の光を浴びること、体を少し動かすこと、誰かと話すことなど、どれも日常に取り入れやすいものばかりです。この記事で紹介した習慣を一つずつ取り入れていけば、毎日が少しずつ楽しく、前向きに変わっていくはずです。
焦らず、自分に合ったペースで「快適な日常」を育てていきましょう。
